Thunderbird の Filelink 機能を使用して、サイズの大きな添付ファイルをクラウドにアップロードし、添付ファイルの代わりにメールの本文でリンクを送信できます。この機能は、Filelink アドオン によって提供されています。
Thunderbird の Filelink 機能
多くのメールサーバーは、サイズの大きな添付ファイルを受け付けません。ファイルサイズの制限は、メールサーバー側の設定によって異なります。サイズの大きなファイルをメッセージに添付して「送信」しようとすると、受信者側のメールサーバーのファイルサイズ制限により、受け取りが拒否されることがあります。これは、Thunderbird が制御できる範囲を超えていることです。
Thunderbird の Filelink 機能でオンラインストレージサービスによるサポートを提供することによってこの問題が解消されました。この機能は、添付ファイルをオンラインストレージサービスに直接アップロードし、メッセージ内の添付ファイルをオンラインストレージへのリンクに置き換えます。メッセージの受信者は、添付ファイルのリンクをクリックしてファイルをダウンロードします。また、この機能により、メッセージの送受信が速くなり、送信者の送信フォルダーと受信者の受信トレイのディスクスペースを節約できる利点があります。
Thunderbird の Filelink 機能は、通常の添付ファイル と同時に使うことができます。例えば、同じメッセージ内で、小さなサイズのファイルはメッセージに直接添付し、大きなサイズのファイルは Filelink を使用することができます。
Thunderbird コミュニティは、様々なプロバイダーによる数多くの Filelink アドオン も作成してきました (詳細は下記)。
Filelink を設定する
この機能を使用するには、まず Filelink アドオン をインストールする必要があります。オンラインストレージアサービスプロバイダーの新しい新規 アカウントを作成するか、既存のアカウントを使用してください。
- > > > > の順にクリックします。
- Filelink プロバイダーアドオンを選択し、 をクリックします。
- ポップアップでアドオンの権限許可を確認し、 をクリックします。
- 設定 の セクションで、 ボタンをクリックします。
- アドオンから要求に従って、情報を追加します。
- Thunderbird は、5 MB 以上の添付ファイルに対し、Filelink を使用するよう提案します (しきい値は同じセクション内で変更できます)が、右クリックで通常の添付ファイルに変換できます。
- 添付ファイルが特定のサイズを超える時に Filelink を使用するプロンプトを表示させたい場合、以下のオプションのチェックをオンにしてください:
[✓] 次のサイズより大きなファイルの添付時にリンク共有する: [ 5] MB
- 必要に応じてファイルサイズの閾値を変更することもできます。
Filelink を使用する
メッセージにファイルを添付した時、そのファイルが上記で指定したサイズを超えている場合、Filelink 機能の使用が勧められます:
- ボタンをクリックしてファイルをオンラインストレージサービスプロバイダーにアップロードします。
- 通常の添付ファイル としてファイルを添付したい場合、 を選択します。
を選択した後、ファイルはバックグラウンドでアップロードされ、メッセージが表示されます:
- メッセージツールバー上の ボタンの下向き矢印を選択して、 サブメニューにアクセスします。
- 通常の添付ファイルを右クリックして、コンテキストメニューから > の準備にクリックします。有効化したプロバイダーのリストから選択できます。
リンクが完了する (添付ファイルがサービスプロバイダーにアップロードされる) と、Thunderbird は、自動的にメール内に添付ファイルのオンライン上のリンクのセクションを追加します:
受信者がメッセージ内のリンクをクリックすると添付に利用したサービスのウェブページが開き、そこから添付ファイルをダウンロードすることができます。
Filelink についてのよくある質問
Filelink 機能を通じて添付されたファイルは、Thunderbird のサーバー上には保存されません。各ファイルストレージサービスのプロバイダーには、それぞれにプライバシーポリシーとサービス利用規約があります。彼らは、そのポリシーに基づいて Filelink 機能を審査し、ポリシーと合致していることを確認しています。
Thunderbird はユーザーがどのプロバイダーを選んだかを知ることができますか?
いいえ。Thunderbird はユーザーが選択したプロバイダーを知ることはできません。プロバイダー設定は、ユーザーのコンピューター内に格納されています。
どのストレージサービスがサポートされていますか?
- 多くの有名なファイルストレージプロバイダーが、Filelink アドオン によりサポートされています。
- Filelink provider for WebDAV アドオンでは、WebDAV サーバーで Filelink を使用することもできます。
ストレージサービスでは添付ファイルを見ることができますか?
ファイルをアップロードする前に暗号化しておかない限り、添付したリンクを取得した誰でも、ストレージサービスからファイルを見ることができます。ユーザーは、責任を持って信頼するサービスプロバイダーを決めなければなりません。サービスプロバイダーは、ユーザーのプライバシーとサービス利用規約について説明しています。
標準の添付機能はファイルを暗号化しないので注意してください。Thunderbird の OpenPGP または SMIME 機能を使用しない限り、通常の方法で添付ファイルを送信した場合、そのファイルは、ご使用のシステムと受信者のシステム上 (メールサービスプロバイダーなど) のメッセージにアクセスできる誰でもが見ることができます。Filelink 機能は、ストレージサービスプロバイダーにアップロードするためのセキュリティを加え、安全なプロトコルである HTTPS を通じてファイルを送信します。Thunderbird の OpenPGP または SMIME 機能を使用して最大限、安全にコミュニケーションをとることを推奨します。
ストレージサービスプロバイダーのサイトに保存したファイルの利用可能期間はどのくらいですか?
使用するサードパーティのストレージサービスプロバイダーの利用条件と同意事項によって、ファイルは有期、ダウンロード回数、または暗黙的に削除されるまでプロバイダーのサイトに残ることがあります。プロバイダーのウェブサイトにログインして個人のストレージ領域でファイルを削除する必要があるかもしれません。ストレージサービスプロバイダー上のファイルは、ユーザーが削除するまで残されます。プロバイダーのウェブサイトにログインして、保存されたファイルを閲覧または削除してください。
プロバイダー X やプロトコル Y をサポートしてもらえますか?
あなたの探しているサービスプロバイダーの Filelink アドオン が Thunderbird コミュニティで提供されているか確認してください。 Filelink API の開発者向けドキュメント も参照してください。
このようなサードパーティのサービスにはファイルを保存したくありません。通常の添付はできますか?
通常のメール添付もこれまで通りにできます。Filelink 機能は、サイズの大きなファイルを、お望みであれば、別の場所にアップロードできるようにする機能を提供するだけのものです。Thunderbird が通知する既定のサイズは 5MB ですが、Thunderbird の設定から通知するサイズを変更できます:
- > > > の順にクリックします。
- [✓] 次のサイズより大きなファイルの添付時にリンク共有する: [ 5] MB
チェックマークを削除すると、大きいファイルを添付しても自動的に Filelink の通知がされなくなりますが、Filelink 機能は添付メニューやコンテキストメニューと同様に
ボタンの下向き矢印から利用できます。